ことばにならないなにか

「ことばにならないなにか」を言葉で近似するそんな試み

PDF変換や数式も書けるMarkdownエディタDillinger

世の中には、Markdown記法というものがあります。簡単にいえば、Wordとメモ帳の間のようなもので、簡単な見出しや箇条書きをつけた文章をサクッと作成することができます。

特徴的なのが、プログラムのソースコードを自動でハイライトできるということです。非プログラマーにとってはなんのこっちゃですが、以下の画像を見てもらえば分かります。左側のプログラムを、右側のように自動で色付けして見やすく表示してくれるのです。

f:id:penoa:20151126022243p:plain

上記のような特徴もあり、技術者には人気の高いMarkdown記法ですが、通常のWindowsMacのエディタではサポートしていません。なので、「プログラムコードを含んだレポートを作成してPDFにしたい」といった場合には、メモ帳で作ることもできず、Wordで作ることもできず、少し困ってしまいます。

そんなときに便利なのが、オンラインMarkdownエディタの「Dillinger」です。

dillinger.io

このサービスは、オンライン上でMarkdown形式の文章を作成でき、リアルタイムプレビュー機能もあり、数式も埋め込むことができ、Dropboxなどと連携してファイルを保存でき、さらにPDF出力もできるという、とても素晴らしいサービスです。

早速利用してみましょう。

サイトにアクセスすると、少しロードした後、いきなりエディタが表示されます。Dillingerには、会員登録という概念がありません。

f:id:penoa:20151126012824p:plain

左側がMarkdownエディタ、右側がそのプレビューになっています。プレビューはほぼリアルタイムで、エディタの文字を変更すると、即プレビューに反映されます

では、いくつか項目に分けて、このDillingerの魅力を見ていきます。

Markdown文法の対応は申し分なし!

Markdown記法では、表を描くことができます。しかし、まれにその表を上手く認識してくれないサービスもあります。Dillingerはどうでしょうか?せっかくなので、表以外にも認識してくれないMarkdown構文がないか、まとめてチェックしてみます。

片っ端からMarkdown構文を突っ込んでいくのが手っ取り早いです。

テストコードは以下からお借りしました。
markdown example · GitHub

で、実際にやってみた結果がこちら。

f:id:penoa:20151126014524p:plain
f:id:penoa:20151126014534p:plain

すこし行間の開きが大きい気がしますが、表も上手く認識できていますし、日本語にも対応しています。このコードに載っている構文は全て完璧に認識できていることになります。コードのハイライトも完璧ですし、普通に利用するには全く困らないでしょう。

数式も挿入できる!

このDillingerには、数式を挿入することもできます。基本的にはTeXの文法が利用できるようです。記述方法は、$$と$$の間にコードを書きます。これもきちんと描写されるのか確かめましょう。

なにか複雑な式がないか考えて思いついたのが留数定理。以下のコードをDillingerに入力してみます。

$$\oint_\gamma f(z)dz = 2\pi i\sum_{i=1}^n \operatorname{Res}_{z=a_i}\,f(z)$$


結果はこちら。

f:id:penoa:20151126020508p:plain

なんか\operatornameがパースできないようです。\mathrmとか{\rm }もダメだったので、ここは妥協して斜体のままで行きます。あんまりよろしくないですが...

表示形式がインラインっぽかったので\displaystyleを追記しておきます。

$$\displaystyle \oint_\gamma f(z)dz = 2\pi i\sum_{i=1}^n \operatorname{Res}_{z=a_i}\,f(z)$$


そうすると以下のようにキレイに表示されます。やったね。

f:id:penoa:20151126021005p:plain

ファイルの保存はクラウドサービスと連携

Dillingerには会員登録という概念がありません。なので、各自のクラウドサービスと連携させて、作成したファイルを保存することができます。現在対応しているのが、

の4つのクラウドサービスです。

f:id:penoa:20151126022037p:plain

今回は試しにDropboxに保存してみましょう。

Dropboxを選択すると、以下のようにAPIの許可画面が表示されます。ログイン情報を入力して、許可します。

f:id:penoa:20151126021731p:plain

認証が完了した後、なぜか、全く保存されずに一度Dillingerに戻ってきてしまいます。めげずにもう一度SAVE TOからDropboxを選択しましょう。そうすると、Dropboxのルートに「Dillinger」というファイルが作成され、その中に.mdファイルが保存されます。

今回は紹介しませんが、このようにして保存した.mdファイルを、IMPORTすることもできます。一旦Dropboxに作業を保存し、また別の日にIMPORTして、作業を再開するといったことが簡単にできます。

PDF出力もできる

ファイルが完成したら、PDF出力することができます。EXPORT ASからPDFを選択すると、ローカルにPDFが保存されます。若干文字サイズが大きいかな?と言う感じですが、それ以外は特に問題ありません!


とても便利なサービスで、会員登録もいらないので、少しMarkdownでメモを残しておきたい時に利用してみてはいかがでしょうか?